土木鋼構造診断士について

土木鋼構造診断士とは、土木鋼構造物(例:橋梁、港湾構造物など)の劣化や損傷に対して、適切な点検・診断・対策の立案・指導などを行える専門技術者を認定する、日本鋼構造協会の民間資格です。国土交通省の技術者資格登録制度にも登録されており、公共工事における品質確保に貢献する資格とされています。「土木鋼構造診断士」は鋼構造物の点検・診断・対策の立案・指導ができる高度な資格であり、「土木鋼構造診断士補」はその補佐的役割を担う資格とされています。

受験資格

受験資格は下記の通りです。

試験内容

試験内容は土木鋼構造診断士補は択一式のみ、土木鋼構造診断士は択一式に加えて専門技術の記述問題、業務経験論文記述問題があります。試験時間は択一式が80分、専門記述式が105分、業務経験論文記述問題が105分となっています。

受講料・受験料

土木鋼構造診断士は33,000円、土木鋼構造診断士補は28,820円となっています。これには事前に受講しないといけない講習会費用が含まれています。テキストが不要な場合や講習会を受講しない場合は、金額が変わります。講習会はe-ラーニングによる講習となっており、決められた期間中に受講し、受講申告書の提出が求められています。詳細は日本鋼構造協会のHPをご確認ください。

合格基準

  • 土木鋼構造診断士について
     受験資格と講習会受講の要件を満たし、択一式問題、業務経験論文記述式問題、専門記述式問題の成績が全て合格基準を満たす者を合格とします。問題別の合格基準は下記のとおりです。
     ○択一式問題の合格点は60%以上の得点
      ただし、試験の実施状況により合格点を変更する場合がある
     ○業務経験論文記述式問題の合格点は70%以上の得点とする
     ○専門記述式問題の合格点は70%以上の得点とする
    なお、択一式問題の成績が合格基準に満たない者については、業務経験論文記述式問題、専門記述式問題の採点を行いません。
    • 土木鋼構造診断士補について
       受験資格と講習会受講の要件を満たし、択一式問題の成績が合格基準を満たす者を合格とします。合格基準は下記のとおりです。 
       ○合格点(択一式問題)は54%以上の得点とする
       ただし、試験の実施状況により合格点を変更する場合がある

土木鋼構造診断士試験受験について

土木鋼構造診断士試験の択一式については過去問を解き、過去問を理解することで、60%以上の得点を取ることは可能です。また、過去問は公開されているため、過去問をしっかり勉強すれば択一式の合格は難しくありません。専門記述式問題は専門的な技術を理解していないと合格は難しいです。しかし、全てを解答する必要はなく、5問中2問など得意な問題を選んで解答できるので、得意な分野をしっかりと勉強しておく必要があります。業務経験論文記述式問題は毎年ほぼ同じ内容が聞かれるため、事前に準備が可能です。しっかりと準備して試験に臨むようにしましょう。

最後に

土木鋼構造診断士および土木鋼構造診断士補はこれから劣化が著しく進行した土木鋼構造を正しく点検・診断するために必要になってくる資格です。取得することで技術者として技術力を研鑽すること、技術力を証明することに繋がりますので、積極的な取得を目指して頑張ってください。